KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

フランシスコ ピサロ

僕がレギュラーで見る数少ないテレビ番組にTBSの「世界遺産」がある。かけがいのない自然遺産から歴史的建造物、人類の偉業を記憶するもの、など様々だがその中には残念ながら人類にとってマイナスの遺産ー悲劇を記憶する遺産もある。
アウシュビッツなどはその一つだし、広島の原爆ドームもそうだ。これらの歴史背景を見ると本当にやるせない気持ちになる。人類とはどうしてそんなに恐ろしいことが出来るのかという思ってしまう。

そして今日はペルーのリマ歴史地区だった。

スペインの征服史の中で忘れてはならない征服者ーフランシスコピサロ、この男はインカ帝国を滅ぼしインカの神殿から文化の破壊と略奪の限りをつくした人物だ。取り付かれるように黄金を捜し宮殿や神殿にあったありとあらゆる黄金を溶かして延べ棒にしたという逸話が残っている。しかし富を独り占めにしようとしたため、原住民ではなく仲間のスペイン人に暗殺されたという。

その略奪と虐殺の限りをつくした男は今も自ら建てた教会に安置されている。極悪非道のことをした人物は歴史に残る人物として現在は考古学者によって発泡スチロールで大切に保管されているのを見ると何か救われない気持ちになった。しかもこの男、今でもスペインでは英雄扱いである。それがアウシュビッツや広島と違うところ。

スペインのアンデスの支配は300年続き1821年に独立した後もインカ帝国の末裔の原住民は今も社会的には弱い立場に立たされている。今も一部の白人によって実質的に社会は支配されている構図は変わらない。結局キリスト教布教を名目に原住民の心まで奴隷のように支配し続けている。

リマ歴史地区はその征服の爪あとを残している意味でも世界遺産になっているが、なかには歴史背景を知るとやるせない、救われない気持ちにさせられるものもある。

悲しい気持ちになったのでもう一杯飲んで寝ます。

(元mixi日記掲載)

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