KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

フェアプレー精神を忘れた報い(長文注意)

既にあちこちで報道されているように日本がWBC(World Baseball Classic)で優勝した。そのこと自体は日本人の一人として、そして野球ファンの一人としてうれしい。

私は少年時代をアメリカで過ごした。メジャーリーグの本拠地
から歩いて10分くらいのところに住んでいた。だからMLB
今でも好きだし応援している特定のチームもいる。しかしながらメジャーリーグ好きの私であっても実は今回のWBCはあえて見ようとは思わなかった。これはサッカーのようなワールドカップに当たる大会は必要だと思うし、今回のようなものが野球の発展には「基本的には」いいことであることは認めた上での話だ。

問題はそのWBCそのもののシステムができあがった過程にある。

まずWBCコミッショナーMLBコミッショナーが同一人物(バドセリグというのがそもそも問題だ。しかも運営会社はMLBMLB選手会による共同出資の会社である点である。そしてそのことが今回の大会の運営がロコツなまでにアメリカにとって都合のよい方向に行われることになった。すでに多くの人間が指摘しているので簡単にとどめる

1.審判の問題

サッカーの例をみるまでもなく国際試合の審判が第三国出身で行われるのは国際的には常識である。今回某Davidsonの不審なジャッジの例を見るまでもなく本大会の審判が全てアメリカ人だけで行われたのは誰が考えても不公正だ。「アメリカの審判は優秀だから他の国の審判では駄目だ」−この発言自体他の国の野球を完全に侮辱している

2.組み合わせの問題
これだけロコツなことをして恥ずかしくないのかといいたくなる。アメリカは決勝にいたるまでドミニカやキューバと当たらないで清む組み合わせを強行した。日本と韓国が1大会で3回も当たるなんてことはどう考えても異常である。それに大会で六勝一敗と最高の成績を残した韓国が決勝に残らないのはどう考えてもおかしい

3.収益の問題
大会がMLBアメリカ主導で行われたため収益の1/3を取る。あとを参加国で分ける。これ自体不公平だろう。これは組織自体が本来公正な世界大会を行える体制になっていない

これ以外にもいろいろあるがもうこれだけで私は見る気がしなかった。ここにはWBCを単なるプロモーションツールとしてしか考えなかったアメリカとMLBの思惑が伺える

大会が終わった後セリグはしらじらしくも「野球にとって有意義な大会だった」と成功をアピールしていたが腹の中は煮えくり返っていたに違いない。NYタイムズも決勝戦にメジャーリーガーがイチローと大塚しかいなかったことに触れ「メジャーリーガーはどこ?」と皮肉たっぷりに報じた。

私は少年時代をアメリカで過ごした。アメリカは自由と民主主義のすばらしさを教えてくれた国でもある。しかしそのアメリカは今昔のアメリカではない。ビジネスの論理、権益のみを優先させフェアな精神を失いつつある。クリントン政権の時はまだましだったがブッシュ政権になってからその傾向が今まで以上に強くなった

実はこのWBCだけではない。

アメリカのジャーナリズムも堕落した。それは今回のイラク戦争以降顕著に現れている。アメリカ軍が実際にはテロリストよりも一般市民の方を多く殺しているなんて事実は殆ど報じていないし、(唯一それをやろうとしたPアーネットが「不適切な報道をした」といって解雇された事実は記憶に新しい)スポンサーに配慮して明らかに企業よりの報道が目立つ。

ちなみに例のBSE問題で日本がアメリカ産牛肉輸入禁止に踏み切った点についてもアメリカは寧ろ日本に批判的な報道をしている。それをふまえての先日のライス国務長官「日本は過剰反応だ」発言。ここに健全なジャーナリズムはあるのか?

しかしこうした行為に対しても「報い」というかバチがあたっている。アメリカ国民もバカではない。地上波のテレビよりもブログジャーナリズムの方がより真実に近いということに(勿論2ちゃんねるのような所もあるが..)アメリカ国民は気づき始めている。だから今三大ネットワークのニュース番組は低視聴率にあえいている。

裁判にしてもそうだ。私にいわせれば今のアメリカに公正な裁判などはない。優秀な弁護士を雇った人間が勝つしくみになっている。一般の弱い立場の人間に優秀な弁護士を雇う金などない。(私は陪審員制度にも批判的だし、まして司法取引などはアメリカの裁判をおかしくした諸悪の根源とすら思っているー日本の弁護士でこれを導入したらなんていっているのがいるが冗談じゃないと思っている)これも正しい、公正ではない、ビジネス、取引の論理が優先するのだ

しかしそうしたアメリカの論理の押し付けも仕掛けた人間の思惑通りに行っていない、バチがあたっているのは事実である

1.MLBのあてがはずれたWBC
2.すっかり国民の信用をなくしたアメリカの既存のジャーナ
  リズム

3.アメリカで始まっている景気の低迷ー世界経済の足を
  ひっぱりかねない

アメリカは果たしてフェアプレーの精神を思い出せるか思い出してくれないと世界中が迷惑するのだが
もう充分世界中に迷惑をかけているんだから..