KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

マンガ王国日本

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いまさらいうまでもないが日本ほどマンガが盛んな国はない。
海外にも日本のマンガ、アニメファンは多く"OTAKU"というのはもはや英語になっている。
しかし一部熱狂的なファンはいるにせよ、アメリカなどでは
「マンガは子供の見るもの」という考えが根強く残っている

実際大半のアメリカ人は電車などで日本のいい大人がマンガを読むのというのを理解できない。文化の違いといってしまえばそれまでだが、私見でいえばそれだけ日本のマンガは洗練され内容も濃いものが多くそれだけレベルが高いのだ。しかし「マンガ」は子供の見るもの」という世界観で育った人間はその先入観を捨て去ることができないようである。

日本人はもともとマンガの表現が得意であったことは美術の歴史を見ればわかる。ご存じ高山寺にある「鳥獣戯画」をみれば明らかだ。鳥羽僧正の作といわれるこの絵巻はおそらく世界最古のマンガといっていい。それは上の真ん中の絵を見ればわかる。ウサギの動きの表現に注目、こういう表現どこかで見たことがあるだろうか?スピード感を強調する為に、サッと走らせた描線。ビュッ、と跳ぶ。ズズッと滑る。そうマンガの世界でいう「効果線」と呼ばれるものだ。これを千年も昔にやっていたというから驚きである。

もう1つ「浮世絵」もある種マンガといえるだろう。ヨーロッパの美術に計り知れない影響を与えた浮世絵だが、特に北斎の絵は「北斎漫画」と呼ばれロートレック、マネ、リヴィエールなどが熱心に模写した。これもご存じ「富岳三十六景神奈川沖浪裏」はゴッホやマネといった美術家だけでなく、音楽家のドビュッシーにも影響を与えた。(交響詩「海」はこの北斎の絵にインスパイアされたといわれるが、これは確証はない。)

実際、歌麿や春信が現代に生きていたら「美少女系キャラ」を
いっぱい書いていたかもしれない。まあその辺の同人誌系より
はマシな絵を書くだろうが...

(元mixi日記掲載)

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