KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

久々真田丸ー豊臣秀頼下の豊臣家

久々に真田丸の話

もうTwitterを始めいろんなところで今回の真田丸について「面白い」という反応が来ているのでドラマについての評価は今更行う必要はないでしょう。

とはいえ、今回の「真田丸」ー三谷幸喜さん自身がかなり「意図的に」史実を変えている部分があるんですが、(三谷さんもかなりの歴オタですがww) 以外にそこの部分は今回誰も何もいいませんので、そこの部分だけ触れておいた方がいいかな、とも思います。「龍馬伝」の時は結構ネットでは「史実が違うのでは」とか「司馬遼太郎の「竜馬が行く」とは違う」とかかなり重箱の隅をつつくような議論がもりあがっていたのですが、今回はそこの部分は誰もあまり突っ込まないので

いくつか登場人物ーとりわけ豊臣方の登場人物に関して述べようと思います、

大蔵卿局― さてネットでは豊臣家滅亡の結果的に原因を作ったかのようなA級戦犯であるかのようにいわれていますが(笑)、いくら秀頼の乳母という立場があったにせよ、軍議に口を出したり、豊臣家の条件交渉を引き受ける、などということは現実問題としてまずありえない、といっていいです。まあ三谷さんは脚本の一環として使ったのでしょうが、そして息子の大野治長にこういわせたかったのでしょう(笑)

大蔵卿局大野定長(道犬)の妻で、淀殿豊臣秀頼の乳母を務めた点と、大阪の陣のきっかけとなった方広寺鐘銘事件では、駿府の大御所徳川家康の元へ使者として派遣され、その後本多正純と以心崇伝を介して、両者に秀頼の徳川家に対する隔意が無いことを示すように家康(実際には本多正純)が命じたという記録がありますが、それ以上の役割を大蔵卿局が果たした、という記録は私の知る限りではありません。まして軍議で作戦に女性が口をはさむなど、当時の常識では100%ありえない、と断言していいと思います。
 そのため今回、ドラマとはいえA級戦犯とか「愚か者」という評価を大蔵卿局に対して行うのはいささか気の毒な気がします

・きり― 一応歴史の記録の上では高梨内記の娘=きり は側室ということになっています。
そして 実は「きりには信繁(幸村)の娘がいた」ようです。
それが本日伊達政宗に引き取られた娘の方で、後に片倉小十郎重長の正室になる娘です。ドラマでは正室の大谷吉継の娘・竹林院の説をとってますが、実は「きり」ちゃんの娘という説の方が有力なのです。(阿梅です)

まあ今回「きり」ちゃんを演じた長澤まさみ、がすごくよかったので、あまり細かいことは突っ込まないことにしましょう。今回長澤まさみは女優としての評価をあげたのではないでしょうか? きりちゃんのようなキャラを演じられそれがドラマの中で一服の清涼剤になった気がする。最後のラブシーンは一応「ごほうび」のつもりなんだろうけど、実に笑えるラブシーンでした。これから長澤まさみは三谷ドラマによく使われるかもしれないですね

また来週はこのきりちゃんが千姫を助ける、という展開になりそうで、おいおいそれじゃ「天地人」なみの歴史捏造じゃないか、といいたくなりますが(笑) 「天地人」の時は非難轟轟でしたが、今回はたぶん誰も何もいわないでしょうね...

大野治長― 今回の真田丸には全く触れられていないのですが、実は大野治長淀殿の間には密通の噂があり、実は秀頼は秀吉の子ではなく大野治長の子ではないか、という噂が当時からあったようです。
実はこれは1つの資料ではなく複数の文書にその部分がふれられていますが、今回の「真田丸」ではそこの部分が全くふれられていませんし、また大野治長がドラマでは今までの大野治長像と比べても「しっかりとし過ぎた」人間として描かれています。
 まあドラマの脚本の都合でそうせざるを得なかったといわれればそれまでですが、やっぱり豊臣家恩顧の大名が秀頼に殆ど加勢しなかった、という点はある程度「密通説」がまことしやかに伝わっているから、かもしれないですね。

ところで先程の「千姫救出」ですが、一般にはこの大野治長が大きく関わっているとされています。つまり大野治長の手引きで、千姫は城内から脱出する。
 大野は、千姫の脱出と引き換えに、秀頼母子の命乞いを家康に求めようとして拒絶され、秀頼とともに大坂城の山里曲輪で自害した、というのはどうやら間違いないようです。

とはいえ、大阪城落城の時に淀殿も秀頼も遺体が見つかっておらず、そのため「逃亡説」なんてものも出てくるわけですが、果たして??

ただ、歴史ドラマとはいっても所詮は「フィクション」であるわけですからあまり史実とどうだ、などと重箱の隅をつつくのはどうか、という意見には賛同します。「龍馬伝」の時は私はドラマ制作スタッフを擁護していましたからね(笑)

一年楽しませてもらった「真田丸」 いよいよ来週が最終回。
久々に面白い大河ドラマだったといっていいと思います。

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