KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

「目先の利益」のみを追求し質が低下した日本の経営者たち

日本社会が閉塞しているといわれて久しい。
そんな折、とある経営コンサルタントの人のあるFacebookの書き込みに非常に同感したのでここで引用させていただく

私はこれまで何千人もの企業のリーダーの方々へ指導を行ってきた。
それで感じるのは、社長には『種まき社長と刈り取り社長』の大きく分けると二通りのタイプの人がいる事だ。
同じ経営者でも『種まき社長』は利益だけを求めるのではなく社員、顧客、商品、等『人や物』を非常に大切にし育てて利益を上げる経営者である
この様な経営者は社員教育も、ただ利益を上げる為の戦略、戦術だけを重要視するのではなく『社会の為になる人間教育』を強く望んでいるものである。
一方『刈り取り社長』人間性より、ただ儲かれば良いと考えている為、儲かる話なら何でもやり、他人様の事は二の次で育てる事より、刈り取る事ばかり行っているのである。
勿論、後者の経営者は人のリストラは平気で、心が痛むどころか社員という身内も育てるのではなく刈り取るのである。
それらの人を見ていると種まき社長であった『松下幸之助氏』や『豊田佐吉氏』や本田宗一郎氏』他の先達が懐かしく思い出されるものである。
時代の移り変わりもあるだろうが日本の経営者が実に軽くなった様な気がするのである。
その為、信念のある『種まき社長』に出会うと昔を思い出し私もワクワクするのである。

人を育てた種まき社長は死ぬと多くの人に惜しまれるのだが、ただ儲かれば良いと思っている刈り取り社長は死んでも惜しまれないのである。
小利口な刈り取り社長を見ていると経営者は『生きては人に喜ばれ、死んでも人に惜しまれる』人間でなければならないとつくづく思うのである。

この文章を読んでいろんな意味で最近の経団連をはじめとする日本の経営者ーとりわけ最近の大企業の経営者に顕著な傾向ーについてたぶんに納得することができた。
つまり今の経済界には「刈り取り」タイプの経営者しかいないということだ。特に大企業、経団連系の経営者は  

いろんな話を聞いてみて感じるのは日本社会は閉塞しているのは「刈り取り」タイプの経営者しかいないことが原因になっているように思うのだ。

私の別ブログだがこういう記事がある。
■ テレビがつまらなくなった理由2−そこには現在の日本社会が抱える3つの良くない風潮の問題があった
http://bit.ly/12VCqb4+

詳細は上記の記事を読んでいただくとして、実は日本のテレビをつまらなくしている原因として
1.「問題は起こすな=ことなかれ主義(経営トップの保身)」
2.「視聴率をとれ、番組をハズすな=結果主義」
3.「金をかけるな=一律コトダウン優先主義)
上記の3つを両立させよ、という命令が現場に絶えず来ている。
だが新しいコンテンツを創ることを考えた場合これは元々無理な要求なのだ。

上記の3つを両立させるべくない予算で確実にある程度の結果、問題が生じないような番組を作ろうとする。そうなると今まで誰もやった事のない冒険などできはしないし、仕事の内容も差しさわりのない仕事だけをやるようになってしまう。

結果、かえって結果が出なくなり、事業が当たらなくなり、収入が減り、制作費がさらに少なくなり、視聴率がさらに下がり・・・という負のスパイラルに落込む。

これはテレビ業界だけの話ではない。今日本社会全体が同じ病魔に侵されている。

そしてその病魔の病原菌をまき散らしているのがこの「刈り取り」タイプの経営者である。またこういう風潮を無条件で礼賛する新自由主義市場原理主義的なエコノミストがその雰囲気を後押ししているのも問題だ。

つまり最近の経営者の傾向に顕著なのは「刈り取り」に付け加えことなかれ主義(経営トップの保身)」によって企業そのものが官僚化している点だ。実際「そのようなことをするのは先例がない」などという官僚なのか企業なのかわからないような発言を大企業の幹部から聞いたのは一度や二度ではない。全部ではないが現在の経団連系、大企業の中にはびこっている「利益の刈り取り+事なかれ主義(保身)と利益のためには手段を選ばん体質」

これを見ると松下幸之助本田宗一郎の時代と比べ経営者全般の質が落ちたといわざるを得ない。

そこにはベンチャー精神、パイオニア精神などかけらもない単なる官僚化し、サラリーマン化し自らの保身しか頭にない凡庸な人間が「社長」といっておだてあげられている、そういう人間が日本の経営者の大多数になりつつある。

最近思うのは音楽業界をおかしくしたのはレコード会社の幹部であったように日本経済をおかしくしたのは経団連を始めとする小粒化した日本の経営者ではないかとも思うのだ。つまりに日本社会を閉塞させ、長い停滞状態においたのは日本の財界そのものである。

勿論「種まき社長」が全くいないわけではない。だが私のみるところそういう経営者は寧ろ中小企業の経営者に多い。大企業にはいないとはいわないが少ない

そういう気がしてならない

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