KyojiOhnoのブログ

作曲家、編曲家、ピアニストそして製作会社の経営者ですが、ここでは音楽以外の社会一般のことの雑感について書きます。

レビュー「フューチャリスト宣言」

まず、お断りしておくが私は日常的にDTMDTPを業務に使っており、IT関係者とのつきあいも多い。それだけにこの世界の実態や虚飾もある程度見ている。この本は"IT系の梅田氏と学者の茂木氏の対談形式だが結論からいってIT業者の連中がよくメデイアでいっている薄っぺらな「IT夢物語」的な議論の域を出ていない。まあ「はてな」の梅田さんだから仕方ないかもしれんが...

それと笑ってしまうのは以前私が述べた以下のブログ

IT業界はコンテンツを無料で騙し取っていないか--著作権問題の奥にあるもの
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2008/03/it_12d4.html

を裏付けるように「全てのコンテンツはフリーであるべき」と受け取れる発言をしていることである。やはりIT業者の権利に関する考え方はこの程度なのだな、ということを裏付ける発言だ。これじゃコンテンツプロバイダーとIT業者は永遠にわかりあえない。「シリコンバレーでは」なんて発言で動かされる人もいるだろうが、いまどきそんなエセグローバリズムに惑わされる人がいるとしたら逆に時代遅れだ。

二人とも「コンテンツ」というものを0から作った経験がない人と思われる。ついでにいうならそこまで「情報ーコンテンツ」がフリーであるべきと考えるなら本など出版して売らずに、自分の本を全部ただで配ったらいかがだろう。


フューチャリスト宣言 (ちくま新書 656)